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火星の女 [DVDやら映画やら]

日活映画。DVDのタイトルは「火星の女」だがその正体は「夢野久作の少女地獄」。ブルマに黒ストッキングの体育の授業がなんとも。殿宮さん役の飛鳥裕子さんのメイクは水っぽいし、制服姿がコスプレ感満点。しかし私服のドレス姿などはエレガント。彼女の家はどうにも大変。彼女がピアノを弾いている間に父親は芸者さんとしっぽり。身体が弱そうな母親はあきらめきった様子でベッドに伏せている。元気のない奥さんには関心が無いの?と思えば昼間っから応接間で無理強い。しかも客人の面前で。この父親ではまともに育てというのが無理。そして食いしん坊で身体が大きいせいで火星さんと呼ばれ、いじめられる甘川さん。グロテスクなんて言われる。どうも殿宮さんは火星さんとは気を許せるらしい。どうしてそうなってしまったのはよく分からないが、境遇の違う者同士がひかれあうということか。殿宮さんにとって男はみんな父親のようなもので、女性の方が安心できるのだろう。殿宮さんと火星さんは白い風船を使ってエッチにじゃれあう。この風船が巨大な卵に見えてしまう。おそらくそれで正解。白い風船を割られた後の火星さんがお風呂に入っているときの表情が秀逸。校長先生との後、海のシーンは大変だったのではなかろうか。その他泥まみれ、雨まみれと、火星さんは過酷なシーンが多い。殿宮さんの雨傘がかっこいい。彼女が教会で校長先生を追い回すシーンのカメラが面白い。「少女地獄」とは少女が見る地獄であり、少女が見せる地獄でもある。モラルの無い大人の欲望による地獄。殿宮さんは父親のおかげ大人がひどいことを知っていたが、火星さんは大人の偽善ぶりを知らず、信じていた人からひどいことをされる。そしてある出来事によって少女たちは大人に地獄を見せる。殿宮さんの父親は自分の娘を実の子ではないと疑っているが、果たしてどうなのか。おそらくあの人が父親なのだろうが、誰にしろ淫乱で反モラルな血であることは変わらない。殿宮さん自身、おかしいのは父親の血によるものだと考えている。それだから父親を挑発するにはアレしてみせるのが有効だとよくわかっていたのだろう。絵沢萠子さんが先生で真面目な役かと思ったら安定の役で安心する。岡本麗さんの名前もあったが、最初の芸者さんがそうだろうか。驚がくのラスト。原作物のロマンポルノとしては「屋根裏の散歩者」に並ぶ快作。惜しいところは、映画「狂った果実」と同じで画質がちょっと。しかし今でも観れることがすごい。音楽がコスモス・ファクトリー。主題歌の作詞・作曲・歌が佐井好子さん。タイトルが「火星の女」になったのは権利関係にあるのだろうか。それでも最初から「火星の女」でも良いほど秀逸なタイトル。しかし原作「少女地獄」の中の「火星の女」部分を基にしているからあたりまえか。「昼と夜の境目って分からない」というのは時代ならではのモノローグだろう。エンディングのギターがかなりかっこいい。面白かった。


Filmarksの紹介ページ(GEOではアダルト扱いだった)
https://filmarks.com/movies/58819


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