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醜聞(スキャンダル) [DVDやら映画やら]

松竹の白黒映画。三船敏郎さん演じる青江がタバコを断ってから吸うところがすばらしい。ポスター、チラシ、中吊りをはじめとしてバスの広告、おまけに街頭放送までと、雑誌の宣伝方法がとにかく派手すぎ。悪女ではない粋な女性を演じる千石規子さんが新鮮な感じ。志村喬さん演じる蛭田弁護士に電話を取り次ぐ男の人がほんとうに嫌そうで名演。酔って帰って病気で寝ている娘に散々話しをする父親。父親は娘に「若いころはだまされてばかりだった~」とぐちり、それが今の自分となっている原因だと話す。話す父親の顔を見る正子の表情が怖かった。映画の中で正子の存在が重要。そしてクリスマスの酒場の場面。バンドに合わせて「蛍の光」を歌う。誰も明るい顔をしていない。映し出されるのはあきらめや絶望っぽい顔と散らかったテーブルや床。あと一週間で年も終わるが、まさに終末の様相。そして自分は犬だと言う弁護士。弁護士にとってちっとも明るくない年の瀬。かたや青江はドブ川に星が見える希望めいたことを言う。二人の境遇が違いすぎ。最期の「星~」云々という台詞は正子に関係することだと思うのだが、なんだかとって付けたように聞こえてしまう。しかし青江が芸術家だとするとそんなもんかと思ったりする。この頃はまだ法廷にもカメラが持ち込まれていて、撮影のための大きな照明がそこらじゅうに立っている。傍聴席数も多く、人に溢れ、何かスポーツや演劇でも観戦しているようにも見える。西条美也子が写真を撮られたくない明確な理由があれば良いのになあと思った。「二人の関係が何でもないことを証明しろ~」って、それは悪魔の証明だ。黒澤監督作品なのだが、どうも黒澤監督な気がしない。木下恵介監督作品と言われても信じるかも。しかし、この映画のすごいところは、あれだけ冒頭のシーンで青江が描く山の絵のことを話題にしながら、その絵が一度も、多分、画面に現れなかったこと。千石規子さんが登場する個展シーンで絵が少し見られるが、山の絵は出てこなかったような。それだけ青江が画家であることは重要ではなかったということか。特に西条美也子は控えめ。彼女が声楽家なのは正子に「♪きよしこの夜~」を聴かせるためだけかも。この映画で重要な職業は志村喬さん演じる蛭田弁護士だけ。そして扱いはほとんど主役。準主役は正子。この親子の映画。最後、蛭田は守るものが無くなってしまったのだろう。面白かった。日本語字幕が付いていた。でっかいツリーでもバイクで運んでしまう青江が豪快だった。晴れ・雪。


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